PQ2023 ワークショップ&パフォーマンス報告

Prague Quadrennial 2023
日本舞台美術家協会(JATDT)× カレル大学×スケラボ コラボレーションワークショップ
玉川大学×カレル大学 コラボレーションパフォーマンス「My Place」

ワークショップ:2023年6月6日、7日
パフォーマンス:2023年6月8日
場所:カレル大学教育学部校舎・PQ2023 日本学生ブース

2023年6月8日〜開催されている舞台美術の祭典「Prague Quadrennial(プラハ・カドリエンナーレ)」(以下PQ)に併せて行われたプラハ・カレル大学との文化交流プロジェクトにスケラボ代表の川上がコーディネーターとして、スケラボメンバーの及川がコーディネーター・パフォーマーとして参加いたしました。

PQ2019で上演したスケラボの「ENGI-MON」のパフォーマンスがご縁で、日本舞台美術家協会(以下JATDT)からお声がけいただき、約1年前からカレル大学と日本の大学の学生の文化交流の可能性を探って準備してまいりました。

前回の「ENGI-MON」でもカレル大学でのワークショップを実施し、パフォーマンスにも出演してもらうなどの交流を行いましたが、今回は同年代の学生同士の国際交流に重点を置き、PQ 2023の学生ブースのキュレーターを務める玉川大学教授の二村先生と玉川大学の学生、そして一部日程に日本大学芸術学部と武蔵野美術大学の学生も参加してカレル大学でのワークショップを2日間、PQの日本学生ブースでのパフォーマンスを1日間、計3日間のプログラムを実施いたしました。

ワークショップでは、パフォーマンスに使用する小道具、衣装などの美術を製作しました。また、カレル大学のPavla先生たってのご希望で、習字のワークショップを行いました。

今回のテーマは「My  Place」

いくつかスケラボ側から提案したテーマの中から、Pavla先生と二村先生が選んでくださいました。

自分の好きな場所を他の人に紹介する。一見シンプルなテーマですが、「場所」にはたくさんの記憶や思い出、育ってきた背景など、他人を知り、理解する上で重要な要素が詰まっています。

事前準備の授業で、カレル大学の学生たちが「My  Place」をテーマに墨絵を描いたものが学校内の廊下に展示されていました。

玉川大学でも同様の授業を行い、ワークショップの最初にスライドで作品の紹介がありました。

カレル大学の学生たちは、ワークショップの前日から先行して、1人ひとつの灯篭を作っています。全員で製作に入る前に、途中経過を見せてもらいました。

着る灯籠から、人型のような灯籠まで、思いがけないアイデアの連続にインスパイアされた日本の学生も多かったのでは。

教室の中央に飾られているのは4年前のワークショップで製作した灯篭です。

カレル大学の学生の灯篭作りをお手伝いしている日本の学生たち。

英語が話せるかどうかに関わらず、すぐに打ち解けていく様子にびっくり。

ワークショップの後やパフォーマンスの後も、お互いのInstagramを交換していたので、今後も良い交流が続くことを願っています。

衣装チームの作っている紙のお花に興味津々のお二人。(写真右側)

お花紙で基本のお花作りに挑戦しています。

2日目には習字のワークショップを実施。1人のチェコの学生に対して1人の日本人の学生が付き、マンツーマンで習字を体験してもらいます。点、線など基本練習をした後、チェコの学生の名前を当て字で漢字にして書いてみました。

ワークショップの最後にはみんなで成果発表をしてパフォーマンスの構成を決めていきます。

衣装チームが作った髪飾りを着けて嬉しそうなチェコの学生たち。一番手前に写っているのがPavla先生です。日本の学生に教わって作った髪のお花を素敵にアレンジしていらっしゃいました。

パフォーマンスでは、ワークショップで製作した美術(灯籠やお神輿など)を持ち、日本から持ち込んだ太鼓や現地で調達した小さな楽器などを演奏しながら会場内をパレード形式で巡り、最後に日本学生ブースを三三七拍子をベースにした手拍子で盛り上げました。

当日のパフォーマンスの模様です。

こちらはパフォーマンス終了後の様子。

中央に写っているのが玉川大学の二村先生です。日本の学生の対応、カレル大学とのメールのやり取りからワークショップの進行まで、積極的に携わっていただき、本当にお世話になりました。

左端に写っているのがカレル大学のJan先生。4年前も「ライトマン」としてパフォーマンスを盛り上げてくださいましたが、今回もノリノリで参加してくださいました。

中央に写っているのがカレル大学のMarie先生です。この方がスケラボとカレル大学の縁を繋げてくださいました。今学期は日本との異文化コミュニケーションをテーマに授業を進めており、私たちとの交流を含めて本を執筆されるそうです。

パフォーマンス終了後、ワークショップで製作した美術はカレル大学内に展示されました。

遠く離れた国の同年代の学生同士の交流を行うことができて、両大学の先生方はとても喜んでいらっしゃいました。この機会が、次のステップにつながる架け橋になれば幸いです。

(報告:及川紗都)